メモリの動的割付け、あるいはオブジェクトの動的生成の方法は、C++(C++98)とC99では大きく異なります。
newおよびdelete演算子はない
C++では、オブジェクトの動的生成と解体に使っていたnew演算子とdelete演算子はC99にはありません。代わりに、malloc関数とfree関数を使います。また、必要に応じて、calloc関数やrealloc関数を使うこともできます。C99では、動的割付けはライブラリの機能であり、言語レベルの機能ではありません。
可変長配列
C99では可変長配列(VLA)を使うことができます。通常、配列の要素数には定数式しか指定することができませんが、関数原型有効範囲またはブロック有効範囲では、配列の要素数に定数式以外を指定することができます。結果として、実行時に要素数が決まる配列を定義できるようになっています。
| 0 1 2 3 4 5 6 | int foo(int n) {   int array[n];   ... } | 
非標準関数として、allocaのような関数をサポートしている処理系は少なくありません。C99の可変長配列は、そうしたallocaと同様の使い方ができますが、よりシンプルな記法が使える分、優れているといえます。
また、関数原型有効範囲に可変長配列を指定する場合には、通常、次のように要素数と一緒に渡すことになります。
| 0 1 2 3 4 5 | int bar(int n, int a[n]) {   ... } | 
関数の(定義ではなく)宣言を行う場合には、次のように可変長配列の要素数を省略することもできます。
| 0 1 2 | int bar(int n, int a[*]); | 
可変長配列であっても、sizeof演算子を使ってサイズを取得することができます。ただし、sizeofの式は実行時でなければ評価できないため、定数式になりません。

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